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2007年2月1日付け 日刊富良野 ご縁があり掲載

「ご塩」を通じて「ご縁」を【タ張発】
かつて炭坑夫たちは、「塩」を口に含みながら過酷な労働に耐えた、財政破綻間題に揺れるタ張市で、この塩を「夕張活性化の起爆剤」にしようと意欲を燃やす一人の人物がいる。昨年11月に塩販売会社「ご塩社(ごえんじゃ)」をオープンさせたタ張出身の笹谷達朗さん(48)だ。笹谷さんは「塩で縁をつくりましょう」と得意のジョークを交えながら夕張再建に賭ける。「夕張の問題は市民に責任があるが、途中から『地方自治体』の問題に、日本が抱える問題の縮小版に変貌、夕張だけの問題ではなくなった」さらに笹谷さんは、「想像を絶する異常事態が夕張で発生している」としながら、「地方の崩壊です」と指摘。しかし、「夕張市民は立ち上がろうとしています」と述べ、ご塩社に出来ることは、
「ご塩(えん)を通してバラバラの夕張市民に『ご縁』をもたらし、難局を乗り越える支援をすること」と意気込む。かつての繁栄を担った炭坑夫。中でも、「先山」と呼ばれる熟達者たちは文字どおり先陣を務め、危険と隣り合わせの命がけの労働に汗を流した。噴き出すような汗。尿意を催すことさえ惜さしまれた日々の労働にあつて、「塩」ほど重宝されたものはなかった。彼らは「塩の固まのような錠剤をかじって食べながら、過酷な労働に耐えていた」からだ。汗で失った水・塩分力の補給に加え、トイレ行く手間も省けるお塩のメリット。まさに「理にかなった」エネルギー源こそ、一時代を築いた原動力となった。そして今、その「石炭のまち」再生のきっかけとして、この塩が登場してきたことに不思議な縁を感じざるを得ない。まさに塩が取り持つ縁。ご塩社が掲げキャッチフレーズどおりだ。
本質はいわば「原点回帰」にあるのではないか。肉体を酷使しながら夕張の繁栄を築いた、あの時代。塩はある意味、降盛の象徴だったが、苦境にたされた今だからこそ、単なる郷愁にとどまらない、あの原点に立ち戻る必要があるのかもしれない。また、塩には様々な効用がある、お客を招く「盛り塩」や供物として神棚にそなえる縁起物のほか、相撲などで土俵を浄めたり、けがに際しての殺菌効果。もちろん、食用としての利用効果は抜群で、「いろんな料理にするうえで欠かせない」調味料以外にも塩蔵などの保存食としても有用。このほか、塩には油を溶かす性質もあり、入浴剤や歯磨き粉、美容関係にも応用がきくという。
夕張でいえば、炭鉱事故などで「地下に生き埋めになった人のための鎮魂の塩」。
スピリチュアルな意味合いでいえば、「石炭というパワーストーンを浄化させるのが塩」。挙げれば話題に事欠かない。しかし、笹谷さんの一番の願いは「故郷のために出来ることはないか」。昨年6月、「故郷の『夕張市の財政再建団体入り』を知り、活動拠点を夕張にすることが先決と考え、11月に戻ってきました」。以来、受発注業務や顧客管理、本社機能を同市で果たし、物流面では「北海道全域のみ夕張から発送」。道外については運送会社と連携し、各拠点から全国各地に。



こだわりの「天日海塩」食用、美容・健康にも 【夕張】
「日本人はいまだかつて理想的な塩を手にしていない国民。
しかも海に囲まれているの。に」。こう指摘する同市「ご塩社」の笹谷達朗さんが薦める塩が、「天日海塩」。オーストラリアの原塩を使い、沖縄の「ピュア・ソルト」社で製造したこだわりの逸品だ。オーストラリアの海岸で約2年間じっくりと乾燥、天日結晶させた原塩を素材に、沖縄の技術者たちが独自の手法で仕上あげた。通常の塩とは異なり、原塩をいったん溶解したり、釜で煮つめたり、加熱したりしていないのが特徴で、「長年、海の結晶である塩をみつめてきた」経験から、「海水の成分をそのまま生かす」方法を駆使して手がけたという。

食用としては、料理の昧つけや魚介・肉・野菜類などのアク抜き、飲料等(コーヒー、ミルク、酒、ビール、ワイン)に
「1〜2つまみほど入れると、味がまろやかにおいしくなる」。
天ぷら後の油に2〜3つまみ入れれば、酸化防止にもなるそうだ。
美容や健康にも最適。入浴時に一握り浴槽に入れれば「塩浴健康法」として、
腹部や肩、足裏には「塩ぬり健康法」として使える。
その上、「歯みがき、洗顔にも」。1袋750g、1000円。




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